苛立ちの矛先を受けるためのピエロ

201103142030更新
不安定な状況では、落ち着こうとしても、なかなか難しい。
いつも以上に気が立ってしまう。


そういう人たちのぬぐえない負のエネルギーを、正のエネルギーで勝るのはなかなか難しい。何が正しい行動なのか、どうすべきなのかがわからず、迷い、苛立っているから。


負のエネルギーを発散、捌けさせるのに、ピエロを用意すると良いかもしれない。


「誰が見ても、間違っている」という行動(ただし周りに実害を及ぼさないこと)をして、負の怒りの矛先を全て集めてしまう。


怒りを受けたあとに「ここに馬鹿野郎がいますが、僕たちが今すべきことはこんなことじゃない。冷静になって考えよう」と誰かが呼びかける。


怒りを吐き出した人に「最善ではなくても良い。僕らが出来ること」のまとめを用意し見てもらう。怒りをはき出した分、冷静になって、素直にその内容を受け入れられると思う。


その内容は説教たらしく書いちゃいけない。自分も戸惑っている、しかし、これぐらいしかできない……。余計なことは逆効果になってしまう……。自分が出来ることを、普段通りの仕事を行おう、周りの無事に感謝して、日常に戻っていこう。それが被災地のためでもある。と切実に書くこと。


今は結局、何が良い行動で悪い行動だかわからなくて、何をすべきで何をすべきでないかがわからなくて、軸がぶれてしまって、あたふたしている。


「それは間違いだ!」なんて上から目線でものを言っても聞き入れる人はいない。


「絶対に正しい方法」がわからなくても「いくらか正しい方法」はわかっているはず。ただ、それ以上の何かをしようとしてしまって、普段以上のことをしたいと思ってしまって、各自が勝手にこれしようああしようとやり始めて、中にはきっと逆効果のものもでてきて、ぐだぐだになる。


ただ「絶対に間違っている」というものはある。


「被災地の人が運動不足にならないように、バーベルを送りました」そんな発言をする若者なんてどうだろ。


「相手のためを思ってやった」かつ「それが迷惑きわまりない、全く理解できない」そういう行動は、日本人が激怒するに足る。


ただ「被災地のためを思った行動が、余計な迷惑になる」可能性を、やろうとしていた人に諭すことにはなる。


自分より愚かな行為をしている人を目の当たりにして、とてつもない罵声を浴びせられている所を目の当たりにして、自粛を促す。プラス、適切な対策を示せば、素直に従うしかない。


下手な行動、迂闊な発言をすると攻められる。余計なことをせず、黙って募金するぐらいが良い。それを誰も攻めはしない。
それをアナウンスする。

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被災地以外で何か場違いな行動を起こしたとき「不謹慎だ!」と、不愉快に思う人がいる。


多分、行動をしている人に悪気はない。むしろ善意であるかもしれない。自分に何ができるのかを考えた結果の行動。


例えば、表現者であれば、元気を出してもらおうと何かする。
「募金する」というのが、無難な、最も有効な手立て。だけど、それ以上に、何かをお金ではない、自分の表現によって助けになりたいと思う。それは表現者としての宿命なのだと思う。極端に言えば、それで食ってきたのだから、それでしかお返しできないと思うのだろう。
それはそれで間違っていない。ファンから募金を集めたりもできる。ファンの前で表現すればいい。


一般的な人、傍観者は、非日常に遭遇しに緊張感が高まっている。我慢する。苛立ちもする。


何かしらをきっかけに、苛立ちを表に出してしまう。
自分の信念に沿わなければ、少しでも外れていたら、激しく当たってしまう。空気読めよと。


普段以上に緊張感が高まっている。
お祭り、イベントのようなものは最も集客力がある。
何かに熱狂したい、不安を忘れたい。
理由はなんでもいい。
ただ、集まりたい。集まれれば、誰かと不安を共有できるかも知れない。情報が集まるかもしれない。


お祭りをやるなら、それは善意の限定的なものであった方が良いかもしれない。限定、外に漏れないようにしないと、お祭りは不謹慎だ! と脊髄反射される可能性がある。


怒りを爆発せずにふつふつと溜めるのはよくない。爆発させてしまう。そうすれば、落ち着く。
ピエロは怒りの捌け口を用意しないと成功しない。


ニコ動だったら、その場でコメントする、という捌け口がある。コメントは流れるので溜まらない。ブログだとコメント欄がぐわっと埋まる。
ただ、これでは不十分な可能性もある。


怒りを出し切れないと、身近な人に当たってしまうかも知れない。また、怒りを吐き出した所で、ちゃんと正しい知識を注がなくては意味がない。


目の前にいて、罵声を浴びせられるのが一番良い。当人がピンポイントに罵声を受けられると良い。そんな中そいつが殺されると、皆、呆然とする。そこで、開口一番「こんな勘違い野郎になるな。落ち着いて、正しい知識を身につけ、できる行動しよう。誰か災害の専門家の方いませんか」とでもする。


そこで信頼足るリーダーがどっしりと構え、こうしようと呼びかければ、良い感じ。
……最近ではアニメ「コードギアス」のストーリーだが、実際、効果的だろう。


しかし、実行は難しいか。実行に足る効果があるか。
というより、そんなことをあえて実行しなくても、色々怒りの矛先が既にバラついている。


怒りも、普段なら粘着されるようなものでも、多分、そんなに一人からは粘着されない。それよりも数がすごいはず。


今は、タタっと罵声コメント書いて情報集めに戻る。独りに粘着して、時間を使っている場合でない。そういう心理なのだと思う。


流れが速い。2chのスレッドように。
「この流れなら言える……○○」
のような心理が働いているのではないか。


そうかもしれない。
僕も急にメモを残している。


このメモは役立たなさそうだ。